「居酒屋の大家」への違和感(1)

ビールがまあ専門の私ですが(苦笑)、雰囲気の良い安めの居酒屋飲みも好きで、今は転居で環境が変わり見られなくなったものの、吉田類さんの「酒場放浪記」(BS-TBS)、太田和彦さんの「居酒屋紀行」シリーズ(旅チャンネル)は良く見ておりました。サイドバーにリンクも張ってあるし。

「居酒屋紀行」シリーズの太田和彦さんですが、本業はグラフィックデザイナーで、本業よりも数多出版されている居酒屋本から、居酒屋の大家として有名ですよね。実は私の高校の先輩だったりします。

太田さん番組と吉田さん番組は異なる味わいがあってどちらも好きだったのですが、自分的に、太田さん番組が「百名居酒屋」のシリーズに移るころからいささかの違和感を感じるようになってきました。決定的だったのは「百名居酒屋」番組中、太田さんが居酒屋さんに「百名盃」という盃を贈呈する場面が映るようになったこと。きっと他愛の無いシャレなのだろう、と思いつつも、一方でなんだかミシュランの人が☆を付けたお店にミシュランガイドを届けて有り難がらせてるみたいで嫌だなあ、まさか自分を権威づけてるんじゃないよなあ、シャレにしても滑ってるんじゃないかなあ、と思い出して、以降ちょっと太田番組に対する熱が冷めてしまいました。また、「百名居酒屋」選定店はその多くがかなりの高級店で「雰囲気の良い安めの居酒屋飲み好き」の自分とはどうも合わないなあ、とも感じました。

そんなこんなで違和感が大きくなると、以前まで気にもしてなかったことがいろいろ気になってきます。

・バーでカクテル以外ほとんど飲まないのは何故?(たいていのバーはモルトも重要な売り)
・広義に居酒屋と言えるワインバーやビアパブをほとんど取り上げないのは何故?
・都会では大衆価格の店を取り上げるのに、地方でははっきり高級店を取り上げる選定基準て?

いやまあ、太田さんの業績にケチを付ける意図ではありませんよ(苦笑)。
太田さんの居酒屋へのこだわりは素晴らしいです、疑いなく。ただ、突っ込みどころ、いや、けっこう「癖」があるよなあ、という印象を得たのです。

そこでさらなる違和感。



いやこの違和感は太田さんのことではありません。太田さんを好意的に取り上げる多くの人達の「空気」なんです。
けっこう癖があると考えるのが自然な、太田さん流の居酒屋観をほとんど全面的に支持して、どうかすると神様扱いな文章ばっか検索で引っ掛かってくる。これって少しおかしくないかなあ?って思いがふつふつと。

そこで見かけたのがやはりリンクを貼ってる、武蔵大学橋本健二教授の居酒屋考現学ブログに於ける、橋本健二教授による太田さんの最新著作評。僭越ながら同記事にコメントしてみたりしました。橋本先生は太田さんの「名居酒屋選定基準」的なものをやや批判的に評されていて、個人的にも同意。というか少し安心しました。自分が感じた違和感を共有できる仲間が少数ながらいたんだ、みたいな(勝手に仲間扱いしてすいません、橋本先生m(__)m)。

太田さんの業績は膨大な居酒屋著作やテレビ番組で明らかで、それは否定されるものではない。でも、それはそれとして、居酒屋に対してもっと多様なとらえ方のなかのひとつとしてあるべきだ、って思うんですよね。良い意味で「太田さんのアレって太田さんのこだわりであって、オレらの印象とは違うよなあ?」って感じに笑ってネタにされてこそ、の太田さんの業績って感じがするんです。

ちょっと、太田ファン全般に通じる「空気」は気になるんですよ。

なお、(2)は太田さんの著書を一度読んでからエントリしようと思っています。
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theme : 居酒屋
genre : グルメ

comment

Secre

No title

v-120ここで、議論されている違和感と言うのは、あなたの「居酒屋」の定義に起因すると思われてます。
あなたの「居酒屋」像を、詳らかにすることも必要ではないでしょうか。

No title

イプシロンさん、コメント有り難うございます。
本記事は私が感じた「雰囲気」「気分」を茫洋ながらも整理してみようと書いてみたモノでして、偉大な太田さんの向こうを張って私が居酒屋論を展開することではありません。なのでご指摘に応えられるかはわかりませんが、記事で3項目挙げたポイントをまとめるならば、「カバー領域が狭すぎる」です。私にしてみれば「居酒屋」にはワインバー、ビアパブ、ショットバーなども含まれるべきと考えてます。で、太田さんの取材先はほぼ全部が和食系かカクテルバーで、飲む酒も駆けつけのビール/日本酒/焼酎/カクテル、店の形態も飲まれる酒の種類もかなり範囲が狭いという印象なのですね。

No title

v-120ご丁寧な返答、恐縮です。
ご説明いただいた、内容から、この記事では結論は放棄していらっしゃるようにお見受けします。
実際には、居酒屋について明確なビジョンをお持ちなのですね。
確固とした、考えを持ちながら、読み手の視線をそらして、ぼかしている。
それが、大家の向こうを張らないための、隠れ蓑のようにも思えます。
どのように、まとめられるか、(2)を心待ちにする次第です。

No title

イプシロンさん、コメント有り難うございます。

番組視聴で素朴に感じた疑問から「違和感」と言ってはみましたものの、太田さんのご著書を読んだことがない身では大々的な批判論陣を張る資格はないと感じています。もう一歩踏み込むかどうかはわかりませんが、なにかアクションを起こすのは少なくとも1冊ご著書を読んでからですね。

No title

 え~と、イプシロンさんのコメントは、ちょっとなんかなあ~という感じですね。
 HIraさんの記事を読めば、Hiraさんの「居酒屋の定義」はほぼ読み取れると思います。実際、この記事を使って「筆者の考える居酒屋の定義を述べよ」というテストを作ったら、受験生の半分くらいは正解を出すと思いますよ。まあ受験生が酒のことを雄弁に語れたらそれはそれで大問題ですけど。
 Hiraさんは「違和感」という言葉で上手に処理しようとしてますが、つまりは「それは違うだろ!」ということでしょう。

No title

v-120shiraさんにコメントさせていただきます。
これは、意図した誘導尋問でした。
居酒屋の定義を反芻していただくことで、
「Hiraさんが『違和感』という言葉で上手に処理しようと」している状態を脱していただければと、
謀っておりました。
『それは違うだろ!』という、ストレートな表現にならない、もどかしさを感じていた者です。
shiraさんは、その辺りを、見抜かれたのではないかと思います。

No title

v-120Hiraさん、大変ご無礼いたししました。
あなたは、とても慎重でした。
失礼な発言は、私の言葉遊びです。
悪意のあるものではなので、どうぞお許しください。
引き続き、(2)の展開には、期待しております。

No title

v-120Hiraさん、ご無沙汰しております。
故あって、この記事に戻って参りました。
この記事に対して抱いた、もどかしさの理由がわかりました。
私は、一つの違和感が増大していく流れが、論じられていると勝手に決め付けておりました。
ここには、複数の違和感があると、捉えることができました。
 「雰囲気の良い安めの居酒屋」と、「百名居酒屋」の選定店との違和感
 「百名居酒屋」の選定店と、Hiraさんの言っておられる「広義の居酒屋」の定義との違和感
 太田さん流の居酒屋観を支持する人達と、ご自分との違和感
どの切り口かによって、「居酒屋」像も、違っていたと気づきました。
違和感とは、感覚や思考のずれと認識しています。(これに、違和感がおありでしょうか?)
違和感という言葉によって、過度に批判的になることなく、スマートに意見を述べられていることが、分かった次第です。
早とちり、失礼いたしました。どうぞ、お許しください。

No title

イプシロンさん、お久しぶりです。
ご丁寧なお返事有り難うございます。

いただいたご指摘は、今後記事を書いていく参考にしますのでよろしくです。
プロフィール

Hira

Author:Hira


怪しいオヤヂ"Hira"のブログ。自営業。株投資もしていたり。いちおうビアテイスターだったりするビアマニア。「Respect Beer!  大手、輸入、クラフト...全てのビールに敬意を」

現実的政治観。反ニセ科学。第1種放射線取扱主任者免状所有、元原子力業界末席(化学)、元天文研(皆既日食ヲチ3回)。50〜70's洋楽。

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